アパレル販売員が売場で着ているお洋服、どのように購入されているかご存知ですか?
これまで10年以上に渡り、ファッション業界で働いてきた筆者が一般的なアパレル企業の内部事情をお話します。
これからお話することは会社を特定するものではなく、アパレル企業を批判するものでもありません。
あくまで一般的なアパレル企業の中にはこのような会社もあるという話です。
知らない人も多いでしょう。ぜひ、お読みいただいて就職や転職などに役立てていただけると幸いです。
アパレル企業の様々な制服支給の制度
ファッション業界の多くのアパレル企業は各社、販売員の制服に関して次のような取り決めがあります。
- 販売員の服装は自由としている
- 企業が制服を販売員に支給する
- 社員向けの割引購入制度を利用して着用してもらう
- 企業が販売員へ一定の制服代を支給する
あくまで把握している限りの情報です。他にも各社、様々な制度があると思われます。
アパレル企業はシーズンによって扱う商品も違います。少なくても各シーズンに上下一着は用意する必要があるでしょう。
それでは各制度の違いに迫っていきます。
1.服装は自由!は以外と浪費するかも
服装が自由なアパレル企業も多いです。自由に好きな洋服を着てよいのですが、もちろん自社に合ったテイストの洋服を着用することが必須、という会社は多いです。
一見、自由だから楽なのでは?と思われがちですが、これがとても大変!!自社ブランドや他社ブランドをプロパー(定価)で買う必要に迫られます。もちろんセールでの購入でもよいですが毎月となると安く買えるシーズンではない時がほとんど。さらに、コーディネートが必要となると費用が掛かります。ですが、金銭面で余裕がありオシャレ好きには最高の会社かもしれません。
2.制服を販売員に支給!楽チン
会社が販売員に洋服を用意してくれる会社も多くあります。とても楽チンです。毎日、コーディネートに頭を悩ますことはありません。お金も掛かりません。
ですが、洋服好きにはツマラナイかもしれません。洋服好き、オシャレ好きは毎日のコーディネートが楽しいもの。それがないのは毎日の楽しみが半減してしまうかもしれません。
3.アパレルの定番?洋服は社員購入で用意
アパレル販売員が自社の割引制度を利用して購入し、制服として売場で着用します。おそらく一般的なアパレルメーカー、ブランドはこのスタイルが多いのではないでしょうか?企業としては自社製品を着る販売員は動くマネキンです。売場で一番のアピールができます。
安く買えることは魅力的な反面、好きでないブランドの場合は購入することは辛いかもしれません。もちろん好きなブランドで働いていたら洋服選びは楽しいものです。
ですが、プライベートで自社ブランドを着る販売員は少ないです。理由は仕事モードになってしまうから。あまり着ることのない自社ブランド品が自宅に溜まっていくかもしれません。ちなみに各社、社員購入の割引率はマチマチです。平均的に40から50%程度でしょうか。このスタイルの会社で最もオススメなのがセレクトショップです。理由はたくさんのブランドがあり、プライベートで活躍する洋服を購入できるからです。
4.会社が制服代を支給!のスタイル
2013年に某ラグジュアリーブランドの社員購入制度で裁判がありました。ニュースや新聞でも掲載されていました。いわゆる強制的に洋服などを購入させられるといった問題です。そのブランドはこの制服代を支給するスタイルでした。
一定額の支給代を超えた額は自分が負担する必要があります。この制度に筆者は明るくないためコメントは控えます。ですが、良い待遇だと月に10万、20万といった制度代が支給されるラグジュアリーブランドもあるようで驚きです。
ファッション業界に就業する際は要確認
制服代に毎月数万円かかる会社はとても多くあります。ご自分の給与から制服代が幾ら引かれて、いくらが手元に残るかをイメージできるようにしておきましょう。もちろん、大好きなブランドやショップで働けることは魅力的です。他にも就業を決める理由は様々あります。ですが、まずは生活するうえで支障のない給与になっているかを最低限は確認されるようにしてください。
なぜ、このように強く言うのか?アドバイスの一つですが、就業の際に会社との給与交渉の材料になります。欲しい人材に対しては給与を見直してくれる場合もありますので一度、確認されてみてください。
2013年12月5日、オークション代行アントロワ